東京海上ホールディングス は、成長の見込めるASEAN(東南アジア諸国連合)で、自動車を中心とした損害保険、生命保険事業の拡大を目指す。すでに進出している国での自力拡大のほか、M&A(企業の合併・買収)も視野に入れ取り組む。
今年6月に就任した永野毅社長(60)は29日までのインタビューで、海外事業について、欧米を軸にしながら、「アジアの成長をしっかり押さえていく」と述べた。事業別では「個人の自動車保険を中心とした損保を核にしながら、これから伸びていく生保に加え、再保険を慎重に伸ばしていく」と語った。
同社の海外事業の比率は先進国が8割、新興国2割。欧米では2008年に英キルン、米フィラデルフィア、11年に米デルファイの各社を買収した。一方、アジアでは生・損保事業をシンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、インド、損保単独では香港とフィリピンでそれぞれ展開している。今期のアジア部門の収入保険料は、損保が前期比19%増の950億円、生保が同9.2%増の560億円を見込む。
永野社長は、アジアの生・損保事業とも自力成長が望ましいとする半面、「スピードを買うという意味でも、M&Aは常に視野に入れておかなければいけない」との認識を表明。「本当に欲しい案件であれば、少々の価格を犠牲しても前に行くというチャレンジもしなければいけない時がくる」と意欲を示した。
少子化が進む国内市場では収益拡大が難しく、日本の生損保各社はアジアを中心とした海外での事業展開に向け、M&Aを積極化。東京海上HDの中期計画では海外保険事業を、危険準備金などを差し引いた修正利益ベースで前期の682億円(全体の33%)から2015年3月期に1000億円(同4割)への引き上げを目指している。
ソース:Bloomberg.co.jp
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